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2010年8月29日日曜日

 バーナンキ動く!!

 8月27日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、連邦公開市場委員会(FOMC)が景気回復の継続を確実にするため、「あらゆる可能な手段を講じる」と表明。成長が減速した場合に取り得る選択肢を明らかにした。
  議長は27日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで、「連邦公開市場委員会(FOMC)は、必要と判断されれば、非伝統的手段を通じて追加の金融緩和策を講じる用意がある。景気見通しが著しく悪化した場合には特にそうだ」と語った。
  バーナンキ議長は米経済について詳しく分析。この1年間の経済成長は「弱過ぎ」、失業率は「高過ぎる」との認識を示した。ただそれでも、財政面での刺激策や在庫補充が個人消費や設備投資に与える効果は「続いているようだ」と述べた。また、2011年の景気上向きへの前提条件は「引き続き整っているように見受けられる」と説明した。
  このほか、「望ましくない物価上昇やさらなる大幅なディスインフレのリスクは低いようだ」とし、ディスインフレが進行したり、雇用の伸びが停滞した場合に備え、FRBには債券再投資戦略で保有債券の配分変更など幾つかの措置があると指摘した。
  バーンナンキ議長は、「FRBの証券保有を安定させるというFOMCの最近の決定は、金融環境による景気回復支援を後押しするはずだ」とし、「FOMCが長期証券の追加買い取りを決定し実行すれば、金融環境の一段の緩和に効果があるだろう」と述べた。
           証券買い取り
  バーナンキ議長は、証券の買い取りにどのような金融刺激効果があるかについて説明。FRBによる国債買い取りにより、投資家はリスクのタイプが似通った異なる種類の債券への投資に動き、利回りを低下させることにもなると説明した。
  この戦略におけるリスクとして、買い取りの影響に関する「非常に正確な知識」が欠けていることなどを挙げた。またFRBのバランスシートをさらに拡大することで、「適切な時期に緩和策からの速やかな出口戦略を実行するFRBの能力に対する国民の信頼感が低下する恐れがある」と述べた。
  2つ目の選択肢として、FRBが「市場が現在織り込んでいるよりも長期間」低水準の政策金利を継続すると伝えることだと説明。カナダ銀行が09年に取った戦略は「功を奏したようだ」とした一方、リスクは、投資家が「そうした取り組みは最終的に経済の成長度合い次第という条件が付かなければならないということを十分認識していない可能性があることだ」と語った。
  このほか、現行0.25%となっている準備預金金利を0.1%もしくはゼロに引き下げることが第3の選択肢だと言及。その上で、この措置単独での金融環境への効果は比較的小さいと見込まれるほか、翌日物金利の市場の「流動性を一段と低下させる」リスクがあると指摘した。
            景気動向
  米商務省が発表した第2四半期の実質国内総生産(GDP、改定値、季節調整済み、年率)は前期比1.6%増加と、速報値の2.4%から下方修正された。このほか雇用や製造業、住宅市場に関するここ1カ月の経済指標は、景気回復が腰折れしつつあることを示唆している。
  バーナンキ議長は「発表される経済指標は、米国の製造業や雇用の回復がここ数カ月、大半のFOMCメンバーが今年早い段階で予想したペースから幾分か減速したことを示唆している」と指摘。「短期的に、個人消費は引き続き比較的ゆっくりとしたペースでの拡大となる可能性がある」と加えた。
  また、「設備やソフトウエアへの投資については、年内の拡大ペースはほぼ確実に鈍化する。ただ、着実なペースでの進展は続くだろう」と予想した。

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