2008年から米国ベビーブーマー大量引退、その影響は?
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2329841/2478822
危機の中心にベビーブーム世代の高齢化
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2889?page=2
団塊の世代は逃げ切れるか - 池田信夫
http://agora-web.jp/archives/896385.html
ロバートキヨサキ氏
第68回 史上最大の詐欺
2009年10月19日発行のタイム誌[米国版]の見出しに、次のような見出しが躍った。「401(k)のやめ時は今……その理由とは?」表紙には、タイタニック号のように沈没していく401(k)の文字が不気味に描かれていた。
とくに、確定拠出年金401(k)に加入している皆さんには、このコラムを最後まで読まれることをお勧めする。私が心配しているのは、この年金プランの持つ欠陥が、7500万人のベビーブーマー世代の第一陣が引退するとき、彼らを悲劇の渦に巻き込み、史上最大の株式市場の暴落を引き起こすのではないかということだ。
401(k)には明らかな問題がいくつもあるにもかかわらず、マスメディアで人気の金融の専門家たちは、あいもかわらずこの年金プランの恩恵をしつこく売り込んでいる。タイム誌がこの記事を載せた同じ月に、雑誌『モア』で人気の金融ジャーナリストのジーン・チャッツキーが、高金利のクレジットカードのツケを、利率の低い預金を使って支払うことについてこう書いている。「あなたのお金に対するリターンとして、これほど良い利率を保証しているものは他にない(ただし、401(k)の雇用主による積み増しはおそらく別だが)」
「これほど良い利率を保証しているものは他にない」というジーンの「賢い意見」に反して、タイム誌は次のように書いている。「1998年末の時点で、401(k)口座の平均残高は47004ドルだった。口座の平均残高は、2008年の末までに45519ドルに減少した」これが、保証されたすばらしいリターンだというのなら、私は自分が401(k)に加入していなくてよかったと思う。タイム誌は、1998年の100ドルは、インフレの結果、2008年には73ドルにまで目減りしてしまったと指摘した。10年間で27ドル分が失われたことになる。タイム誌と雑誌モア……あなたは、どちらの言い分を信じるだろうか。
誰を信じるべきか、何を信じるべきかを決めかねている人のために、タイム誌はさらに次の2つの指摘をしている。これは一考に値する。
1. 「401(k)は、あなたが高齢になればなるほど、ますますリスクが高くなる」
2. 「米国人の44%が、引退後に文無しになる危険がある」
さて、誰かがこんなことを言うのが聞こえてくるような気がする。「でも、株式市場は反発しています。景気回復の兆しが見えています。すべてがうまくいっています。市場の暴落は、調整局面にすぎなかったのです」楽観主義の皆さんのために言っておくと、私も、あなたたちの夢が実現して、おとぎ話の最後の一行のように、誰もが「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」になったらどんなにいいだろうと思う。
私は、ただ401(k)年金プランを批判するために、これを書いているのではない。私は本当に心配している。タイム誌の予測が正しいとしよう。そうであれば、米国の全人口の44%が、引退後に破産することになる。7500万人のベビーブーマーたちが引退する準備を始めているのだから、彼らのうちの3380万人が、働くのをやめたら破産するということだ。私にとって、これは非常に気がかりな数字だ。
金融危機は去ったと思っている人が多いが、最悪の時はまだ来ていないと私は考えている。株式市場に回復の兆しが見えても、米国政府のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は悪化している。社会保障制度には、ベビーブーマー世代が一斉に引退を始めたときに発生する経済的な雪崩を、食い止めるゆとりなどないのではないかと思う。社会保障制度の基金はすっからかんになっていて、およそ10兆ドルも不足している。同制度は、この35年間で初めて、生活費の上昇分を支払わないことにしている。そして、高齢者向け医療保険制度(メディケア)も、65兆ドルから85兆ドルの不足が生じると予想されている。
2009年、米国の借金に対する利子の支払い額は3800億ドルであり、1日当たりの支払い額は10億ドルとなる。また、我が国の借金は2012年までに20兆ドルにまで膨らむと予想されている。これは、米国が、利子の支払いでさえ、借金しなければできないことを意味している。
連邦準備銀行が、これからもますます多くのお金を印刷できるのはわかっている。だが、州政府や市役所はお金を印刷できない。だから、州や市は増税するだろう。固定資産税が高いと思っている人のために言っておくと、あと5年もすれば、マイホームの価値は上がらないにもかかわらず、固定資産税は上がる。増税は固定資産の価値に大きく影響する。最大の資産としてマイホームを頼りにしている人々は、がっかりすることになるかもしれない。
1913年に連銀が創設され、1971年に時のニクソン大統領が米国の金本位制を停止すると、超金持ちたちは、私たちの富を吸い上げることができるようになった──しかも、皆のお金、誰もが一生懸命働いて手に入れ、爪に火を灯すようにして貯めたお金を使ってだ。言いかえれば、連銀が印刷するドル紙幣によって、私たちの富は、増税、借金、インフレ、貯蓄といった形で吸い取られているのだ。
何かを感じてもらえれば幸いです。